沖縄の人は糖分と脂質を摂りすぎている。果たして健康長寿?

沖縄で医療関係の仕事をしていて思うこと。どうもあんまり健康的な食生活を送ってないなあ・・・という事実。

沖縄といえば、「島野菜」「健康長寿」「おばあの笑顔」みたいなイメージがあった私。思っていたのと違う、実態に向き合うことになり、初めは驚きました。

果たして沖縄の生活って健康なんでしょうか??

沖縄の人の生活の実態とは

ここでいう沖縄の人というのは、平均的な沖縄の人の印象でお話します。
中には、健康に気を使った生活を送っているという人もいるでしょう。

スーパーで見かける食品、市場での人々の動向、品揃え、料理の嗜好などをみたときに、どんな食生活と生活を送っているのか端的にお話しようと思います。

 icon-chevron-down 揚げ物が好き(グルクン揚げ、サーターアンダギー・・・)
 icon-chevron-down野菜は葉物が多い(根菜類はあまりない)
 icon-chevron-down甘めが好き(黒糖、きびを多用する)
 icon-chevron-downお酒を大量に飲む(泡盛が基本である)
 icon-chevron-down仕事が終わるのが早い(4時が定時という仕事もある)
 icon-chevron-down車で移動する
 icon-chevron-downほとんど歩かない(500m程度でも歩きたくないそう)
 icon-chevron-down読書をあまりしない(売られている本が少ない)
 icon-chevron-downお菓子が好き(お菓子コーナーが広すぎる)
 icon-chevron-downパンが好き(クリーム系とか・・)
 icon-chevron-down健康に関する知識が少ない
 icon-chevron-down甘い飲み物を飲む

要約すると、油、糖、運動不足に偏っている人が多いのです。

 

薬局で働いていると糖尿病の患者さんが多く訪れます。東京であれば、「HbA1Cが〇〇だったよ」とか、「食事は気をつけてるんだけどね」なんて会話があります。

 

しかし、こちらに来て、車移動し、生活にも余裕がないような患者さんを相手に、「歩いて運動してください」「野菜中心にして、タンパク質を増やして・・」とか、「数値をグラフでつけて」と指導したとしても、果たして意味があるのかどうかと悩みました。

「運動はしてほしいけど、この暑い中運動して、脱水を起こされたら・・・」

「生活に余裕がない人に、野菜をたくさん買って自炊してといったらストレスに繋がるのではないか・・・」

とか。

いろいろな考えがよぎり、今までとまるで違ったスタンスで接する必要があると感じました。

「でも、果たして諦めてしまっていいのだろうか?」

「知識を持ってないだけなんじゃないか?」

 

実際に患者さんに指導して感じたこと

そこで、理解してもらえそうな患者さんには、食事の注意点とか、家の中でも運動できることなど、できそうな範囲で生活改善を促してみることにしました。

すると、ある日、向学心のあるおじいさんから、嬉しい一言をいわれたのです。

「沖縄の人は何も知らないから教えてあげてね。そういう、あなたのようなきめ細やかさが必要なんだよね」

自分は間違ってはいなかったんだと、少し自信を取り戻しました。

もっと伝えていかなければ、と新しいモチベーションが生まれました。

社会として取り組まなければならない食問題

それでも、スーパーに行けば、お惣菜コーナーは揚げ物中心だし、お弁当はマヨとソースべったり・・・。

飲み物といえばさんぴん茶か、まったりしたコーヒー牛乳とか、ミキとか、元気の子とか・・・

ああ、、社会全体で取り組まないと、難しいなあと、気が遠くなります。

そもそも、日本は世界をみても素晴らしい和食という文化がありながらも、食の安全性については遅れているといわれています。

ニューヨークのような最先端の場所で流行っている食事が、3年くらい経って東京に入ってくる流れがあるように、

沖縄にもあと数年すれば、少しずつ変化があるのかなあ・・・・

どうだろう???・・なかなか難しいと感じています。

実は長寿ではない沖縄の実態

近年、ニュースによると、沖縄の健康寿命のランクが下がってきています。

2010~14年の5年間について調べたところ、「平均寿命」のうち「健康寿命」が占める割合が沖縄県は男性90・4%で47位、女性は83・7%で46位で、全国最下位だったことがわかったそうです。

 

なんと、長寿トップにランクしているのかと思いきや、なんと健康寿命(介護や寝たきりなどの他の介入なしに生活できる寿命)では最下位なんです!!!

これは本当に長寿の方が多いということも関係があるのかもしれませんが、なんらかの障害を抱えてしまう期間が長いというのは残念なことです。

やはり背景には運動不足による筋力低下や、栄養状態の悪化による糖尿病や心臓疾患、脳疾患などが関わっていそうです。

 

それでも、沖縄の人に長寿が多いのは、生活や食事と並んで大事な「ストレス」というものが、圧倒的に少ないのだと思います。

沖縄の人にももちろんストレスはあります。軍事的なこととか、内地の人間にはわからないような傷を抱えているんだろうと思います。

それに生活水準が低く、給与も低いのが問題です。

 

それでも、生活の中にいつも美しい海があり、広い空があり、大地のエネルギーを感じる生活があるのが、沖縄の良いところだと思います。

人間として本来必要な要素なのでしょう。

ストレスが多い状況で、空気の悪いところで、どんなに健康的なオーガニックフードを食べたところで、果たして効果があるのだろうか。

 

沖縄に来ると、人間としての根本的なところに気が付かされます。

 

果たして健康的な生活とは何なのか・・・

まだ結論にはいたっていません。

 

 

 

 

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