「タイに移住してみたいな〜、仕事やめて・・」、「退職後はタイにでも住んでのんびり暮らそうかな」なんて思っている方は多いのではないかと思います。
わたしもその1人で、タイへの移住に憧れて実現させました。
しかし、思っていたのと違ったことも意外に多かったのです。
何もかも捨てて勢いでタイに移住して、それから後悔するなんて事のないように、私の経験から想像よりも残念だったこと、思っていたよりも厳しかったことをお話します。
これからタイ移住を考えている方はぜひ読んでみてくださいね。
タイに引っ越しして後悔した5つのこと
食事の問題
まずは住むとなったら軽視できない食事の問題です。
私自身はタイ人の血が少し入っていることもあって、タイ料理は大大大好きです。
日本では和食よりも好きだー!なんて、本当に平気で週3位食べていたこともあります。
移住してみると、当然のことながらほぼ選択肢はタイ料理になります。
和食もありますが、言っても「なんちゃって和食」。
タイは日本食ブームもあって種類は豊富ですが、正直美味しいと思ったことはありません。
日本人向けスーパーもありますが、実際のところ高いです。日本で買っていた価格の3倍ほどで、駐在員のように家計に余裕がないと毎日全てを日本製の素材をつかって作るのは大変です。
かといって、便利だからってフードコートなどのテイクアウトに頼っていると、油と辛さにやられて、胃薬が手放せない状態になることも。体がだんだんと疲れてきます。
旅行ならば楽しんでタイ料理も毎日食べられていたけど、これが何ヶ月も何年もになると、食生活に関しては不安を覚えました。
実際のところ3ヶ月に1度帰って、胃腸をリセットしていたので体は壊しませんでしたが、胃薬は手放せませんでした。
ずっと住んでいたらどうなっていたのかな・・と思っています。
食べ物は本当に大事なので、ケチらずにしっかり日本人の胃腸にあったものを食べてくださいね。
医療の問題
タイは医療施設はピンキリにあります。
富裕層や外国人向けの高級ホテルのような病院から、常に患者でごった返している市民病院的な病院も。
わたし、実は入院したことがあります。
親切で丁寧な先生に、優しい看護師さん、そして美味しいタイ風の病院食に毎日ワクワクしていました。
とはいっても、医療のグレードがそこまで高いのかと言うと疑問は残りました。
日本の医療水準と比べたらまだ不安を感じることも多かったです。機器が最先端とは言い難いし、先生ごとに考え方も違って統一性がないことが心配でした。
先生それぞれの裁量と腕にかかっていて、ベーシックとなる部分が確率していないようでした。
あと、大きな問題は言語の壁です。
日本語が通じることで有名な病院でも、通訳の日本語レベルがあまり高くないのです。
だから自分の症状を事細かに伝えようにも、どこか諦めるしかなくなってしまう。
だからちょっとでも気になる病気の時にはできるだけ日本で治療することにしていました。
とはいっても、急な病気の時はお世話にならざるを得ないのです。そこで大事だったのが、医療保険です。
現地で仕事についていないと医療保険もありません。個人的に長期滞在で海外旅行保険に加入すると莫大な金額がかかります。
私の場合は医療費はゴールドカードの付帯保険で全て賄えたので安心して滞在することができました。実際のところ、海外旅行保険よりもクレジットカード付帯の保険が最も出費は抑えられます。
長期滞在を検討している方は、事前にクレジットカードを発行しておくといざという時に安心です。
ビザの問題
タイは自由に外国人が滞在できそうなイメージがあるかもしれませんが、案外ビザ発給は厳しいです。
タイに長期滞在するには、次のいずれかの方法から選ぶことになります。
- 学生ビザ
- 就労ビザ
- 家族ビザ(就労ビザのある家族)
- 配偶者ビザ(配偶者がタイ人)
- 観光ビザ
正式には他の名称があるのですが、ざっくり言うとこんな感じです。
私の場合は、3ヶ月に1回くらいは日本に帰国したかったので、観光ビザを選びました。
観光ビザは60日間の滞在が原則で、滞在中に30日間の延長申請ができます。つまりトータル90日間まで滞在できるのです。
もしも、帰国するつもりがない場合でも、周辺の国(ラオス、マレーシア、カンボジアあたり)に一旦出て、ビザを取得しなければいけません。
学生ビザであっても最近は3ヶ月までのビザしか降りないといいます。
移住して落ち着いて生活したいのであれば、現地の会社に勤めて就労ビザを取得するか、配偶者を見つけるか、はたまた退職ビザで行くか・・ということになります。
日本国内のタイ大使館でのビザ取得も、言葉の壁やら文化の壁やらがあり、非常に時間も手間もかかって大変でした。
国内のタイ大使館で観光ビザを何回も取得するのは実質難しいと思います。
私も2度とあの手続きはやりたくないと強く思います。
現状、就労ビザは取りたくない、語学学校などの学生ビザを取ることもできないという場合には、3ヶ月に1回のビザ更新の旅に出るというのが、一般的な方法になっています。
正直これはお金もかかるし、3ヶ月ってあっという間に過ぎてしまいます。長く滞在するならば現実的じゃないな・・と思いました。
噂では長期滞在の観光ビザができるなんて言われていますが、いまだに先延ばしになっています。
のんびり気ままに長期滞在したいな、なんて思っていると理想と違った現実に嫌気がさす可能性が高いです。
しっかりビザのことは知ってから行きましょう。
仕事の問題
長期滞在したいなら、ビザの問題があるので現地の仕事につくのが最も確実です。
現地で仕事するには、
- 日本国内の会社から駐在員として派遣される
- タイ国内の会社に勤める
以上の2つの方法があります。
この2つでは生活のレベルがだいぶ変わります。駐在員は日本と同じ給料をもらえる上に、駐在のための手当、マンション、さらにはお手伝いさんや運転手がつくということもザラにあります。
昔ほど駐在員であってもバブリーな世界では無くなってきているものの、現地就職よりは圧倒的に優遇されています。
その代わり、数年間の駐在期間を過ぎたら帰国しなければいけません。
一方、現地採用ならば帰国するかどうかは自分の気持ち次第なので、期限はありません。
しかし現地採用の場合、お給料はどうしても低くなります。
日本人は最低5万バーツ支払わなければいけないという基準があるので、お給料は最低15万円ほど。
多いと思いますか?現地のタイ人の大卒給与が2万バーツというから、たしかに日本人は優遇されています。タイ人と同じかそれ以上の暮らしは可能です。
でも、日本に帰国したい、日本のものを買ったりなど、現地に染まらない生活をしたいならば、15万円だけでは正直苦しいです。
だから現地採用になると、そこそこのタイ生活を楽しめるけど、日本には帰らない(帰れない)方も多いです。
私は日本である程度の給与をもらっていたので、現地採用されて3分の1とか4分の1の給与で生きていける自信はありませんでした。
タイの安い物価で楽しめる。ぜいたくする必要もないし、日本に帰りたいとは思わないような方には現地採用の生活でも十分快適なのではないかと思います。
気候の問題
タイはめっちゃくちゃ暑いということは、何回か訪れた旅行の中で知っているつもりでした。
しかし私はピークのタイを知らなかっただけだったのです。
タイが最も暑いのは4月です。ソンクランという水掛祭りがある、この時期はタイ人いわく「hottest season」になります。
(タイの季節は hot, very hot, hottest というのがタイ人ジョークみたいです 笑)
正直、4月は外に出ることすら躊躇してしまうほど暑い日がありました。
私はバンコクよりも南にあり気候が比較的穏やかなホアヒンという場所で過ごしたこともあるのですが、さすがのホアヒンですらも灼熱地獄。
毎日マンションのプールで水浴びをしないと、干上がってしまいそうな感じでした。
タイでは基本はあまり歩かなくても生活できるようになっています。
車社会だし、歩けないような時にはバイクやトゥクトゥクを乗るのが一般的です。
基本的に買い物する場所はBTSという電車の側に並び、駅からも屋根付きの通路で繋がっています。
一見便利そうにみえますがそれは駅の周りに限ってのこと。
基本は暑いです。家も暑いです。
外で歩く時間はほんの一瞬に過ぎないのですが、それでも熱風と室内の強い冷房のWアタックにやられて、夏バテの毎日でした。
暑いのが苦手な方は相当の覚悟をもって引っ越しされることをおすすめします。
移住を決意する前に、短期滞在で下見すべし
タイに引っ越しするまでに、1週間程度の旅行を4回ほどしてきました。
また親戚も住んでいて、タイには一度住んでみたいと思っていたから、勢いで仕事もやめてタイに夫と共に引っ越ししました。
でも、一つやり直すならば、もっと慎重に下見をするべきだったのかなと思います。
仕事をしながらだから実際無理だったのですが、できることなら1ヶ月くらいお試し移住をしてみると良かったなと思ってます。
旅行で1週間行くだけではタイの本当の姿は見えてきません。
「話が通じなくて困る」
「インフラが悪くて不便」
「タイの病院で言葉が通じない」
「交通事故が多くて怖い」
「タイ人って信用できない!!」
など、旅行では見えてなかった世界が見えてきます。
住むということと旅行での滞在というのは、全く別のものです。
そこで生きて暮らしていくのですから、楽しいことばかりではないのです。
失敗しないためにも、仕事をやめてタイに引っ越しする前に十分な下見をしてください。
サービスアパートメントでタイでの暮らしを試してみよう
タイに下見に行くときには、ホテル生活ではなくサービスアパートメントに滞在してみましょう。
サービスアパートメントは普通のマンションまたはホテルグレードの建物で、スタッフがいて面倒を見てくれます。
必要があれば掃除やクリーニングなどもお願いできます。
キッチンや洗濯機なども付いているので長期滞在向きです。
現地のスーパーで買い物に行って物価を肌で感じたり、タイのシステムで料理してみたり、いろいろと旅行ではわかりにくいことが見えてきます。
私はオークウッドトンローという、日本人街のあるトンローにある、割とグレードの高いサービスアパートメントで短期滞在しましたが、とても居心地がよかったです。
そこである程度タイの生活をしてみたことは良い経験になったと思います。
ぜひ、一度は長めに滞在して、本当に自分が住めそうな環境か知ることが大事です。
まとめ
今となっては日本に戻ってしまいましたが、行ったこと自体に後悔はないし、あの2年間があったから今があるのだと思っています。
タイ人の穏やかな性格やタイの暖かい気候も、ごちゃごちゃと雑多な雰囲気も大好きです。
いつもタイのことを思い出しては、また住んでみたいなとも思います。
今回はデメリットを中心にお話しましたが、そんな私でも結果的にはタイに住んでよかったと思ってます。
思っていたのと違ったなんて後悔することのないように、十分に考えてリスクも納得した上で、タイへの引っ越しを実現させてくださいね。